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コラム 治る認知症



1.慢性硬膜下血腫

概要
頭蓋骨の内側には脳を覆う硬膜という膜があります。この硬膜と脳の間に血液がたまると脳が圧迫されることにより様々な症状が出現します。2016年の患者数は約3万6千人で高齢化に伴い近年増加傾向です。

原因
原因の多くは頭部外傷です。少し頭を机にぶつけた程度でも発症することがあり、外傷後数週間から2ヶ月程度で発症します。他の認知症に合併することもあり、外傷の既往がはっきりしないこともよくあります。
お酒をよく飲む方、抗血栓薬を飲まれている方、脳の萎縮が強い方は発症リスクが高いと考えられています。

症状
血腫が大きくなると頭痛や吐き気が出ることがあります。血腫の位置によっては、麻痺や痺れをともなうこともあります。物忘れや、言葉が出てこない、尿失禁など認知症の症状を訴えて来院される方も多くいます。

検査と診断
頭部CT検査で診断されます。


治療
血腫は自然吸収されるものもありますが、症状が出ているものや血腫が進行性のものは手術により血腫を吸引します。



2.正常圧水頭症

概要
水頭症とは脳室内に過剰な脳脊髄液が貯留することです。正常圧水頭症では脳脊髄液の生産と吸収のバランンスが崩れ水頭症を発症します。

症状
脳室が大きくなり脳を圧排することにより症状が出現します。
1歩行障害    足が重たく引きずるような歩行になります。足が上がりきらず、転倒の危険もあります。
2失禁      おしっこが間に合わなくなってきます。
3認知機能の低下 物忘れが目立つようになり、周りのことに興味や関心が薄れてきます。
診断 検査
頭部のCT MRI検査で脳室の拡大を確認します。わかりにくい場合もあるのでより精密な検査を組み合わせる場合もあります。


治療
手術により溜まった脳脊髄液をお腹の中に逃がすための細い管を埋め込みます。シャント手術といいます。


3.甲状腺機能低下症

概要
甲状腺の慢性的な炎症などにより甲状腺ホルモンが不足して発症します。65歳以上の女性10%、男性6%近くに認められる頻度がとても高い疾患です。

症状
甲状腺ホルモンは細胞の動きを活発にする作用があり、不足すると、活気がない、疲れやすい、寒がりになるなどさまざまざ症状が出現します。同時に脳の活動も低下するため、記憶力が低下したり、動作、判断が鈍くなり認知症と似たような症状を呈します。

診断
血液検査により甲状腺ホルモンの測定、甲状腺のエコー検査などで診断されます。
甲状腺機能低下症は頻度も多く、他の認知症との合併も多いことから、物忘れ外来では必ず甲状腺ホルモンの測定を行います。

治療
原因によりますが、多くの場合は甲状腺ホルモンを補うことにより症状は改善します。



4.ビタミン欠乏症

ビタミンB1、ビタミンB12、葉酸は脳が活発に活動するために必要なビタミンです。そのためこれらのビタミンが不足すると脳の働きが落ちて認知機能の低下につながります。

ビタミンB1欠乏
ビタミンB1は多くの食品に含まれており通常では不足しませんが、アルコール依存により、お酒ばかり飲んでおかずを食べなかったり、インスタント食品中心の食生活を送っていると欠乏することがあります。

ビタミンB12欠乏
ビタミンB12は、魚介類、藻類、肉類、卵類、乳類に多く含まれています。完全な菜食主義者では摂取不足になる可能性があります。
また、胃を切除している方や消化管の疾患などでビタミンB12の吸収が低下し、欠乏症に陥ることもあります。

葉酸欠乏
通常の食事で十分に補給されますが、アルコール依存症では、摂取不足に陥りやすく、吸収も悪くなります。


いずれの場合も血液検査を行い補給を行なっていきますが、アルコール依存症に伴うものは進行すると治療を行っても元に戻らないケースもあり、早期発見、早期治療がなによりも大切です。


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