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コラム

物忘れが気になったら


物忘れに気がついたとき、「もしかして認知症?」と気にされることがあるかもしれません。あるいは「いや、歳のせいかな」と気にしないようにする方もおられるでしょう。
人は加齢とともに徐々に脳の機能も低下し、物忘れも増えていきます。
では、正常でも起こる物忘れと、認知症による物忘れにはどのような違いがあるのでしょうか。両者を鑑別するためのおおよその目安を何点かあげたいと思います。


物忘れの内容に関して
正常な物忘れは体験の一部分を忘れるのに対して認知症による物忘れでは全体的に忘れてしまいます。
正常でもおこる物忘れでは、今日の朝ごはんに何を食べたか忘れることはあっても、食べたこと自体を忘れることはありません。病的な物忘れでは、食べたこと自体を忘れてしまい、もう食べたはずの食事を繰り返し要求したりします。人に会った後、どうしても会った人の名前が思い出せないことは正常でもありますが、会ったこと自体を忘れてしまうのであれば認知症を疑う必要があります。

日常生活に関して
正常な物忘れであれば、生活に支障が生じることはまずありません。火の不始末を繰り返したり、慣れた場所でも迷子になるようであれば認知症である可能性があります。

病識に関して
病的な物忘れでは本人がそのことを自覚していることは少なく、病識に乏しいと言えるでしょう。一方で「最近物忘れが増えてきたから自分は認知症かもしれない」と考えるようなら病識があると言え、認知症である可能性は低くなります。下のグラフを参考にしてみてください。本人が物忘れを自覚して医療機関にかかる頻度は少なく、周囲の方、特に家族が本人の異常に気づくケースが多いことが分かります。周りの方が、なんとなくおかしい、と感じても本人には病識がない事が多いと言えます。




認知症の症状の一つに取り繕いと言ったものがあります。忘れてしまった事を上手に相手に合わせて辻褄があうようにします。例えば「今日の日付は?」と尋ねたときに「この年になると日付は気にせず暮らしています」といった具合に日付を思い出せなくても話が通るように返答ができます。本人には無意識的であって、病識も悪意も無く、むしろその場の話の流れを中断させないための自然な防御反応といってよいかもしれません。認知症の早期の段階では、はっきりとした変化が現れにくいことも多く、周囲の方が、わずかな変化に気づいてあげる事が、大切と言えるでしょう。

 
正常でも起こる物忘れ
病的な物忘れ
 物忘れの内容 一般的な知識
例えば有名人の名前や地名など
自分が経験した出来事
 物忘れの範囲 体験の一部
買い物に行き買った物の一部を忘れる
食事の内容が思い出せない
体験の全部
買い物に行き、買ったものを忘れるだけでなく、行ったこと自体を忘れる
食事をしたこと事態を忘れる
 進行 進行、悪化はほとんどない 進行する
 日常生活 支障なし 支障あり
迷子になり戻れなくなる
火の不始末
 自覚 物忘れの自覚がある
ヒントを出せば思い出すことができる
なんとか思い出そうと努力する
物忘れの自覚がない
自分が忘れていることに気づかない
 学習能力
維持される 新しいことが覚えられない
家電製品の使い方や、掃除、料理などを順序立てて行うことができない
 日時の見当識 保たれる 今日の日付が分からない
季節に合わせた洋服が選べない
 感情、意欲 保たれる 怒りやすくなったり、興味や関心が薄れたりする